ホーム > ブログ > 寸法検査の基礎

画像処理による寸法検査の基礎

エッジ検出、トレンドエッジ、位置補正——寸法検査の自動化を支える技術。

無料相談する →

寸法検査とは

部品や製品が仕様通りに加工・組み付けされているかの合否判定をおこなう検査です。Oリングの内径外径、金属部品のR・角度、シート・フィルムの幅など、製造のあらゆる工程で必要とされます。

エッジ検出の原理

設定した計測領域内で明るさの変化(エッジ)を検出します。エッジ検出は明るさの絶対値ではなく変化量(微分値)を使うため、照度変動に強い特性があります。

微分波形のピーク点を検出位置とすることで、明るさが異なるエッジでも同じ検出レベルで安定して検出できます。

トレンドエッジ

計測領域内で幅の狭いセグメント(小領域)を移動させながら多点のエッジを検出し、そこから円や直線を求める手法です。ワッシャーの中心位置ずれ検査、太陽電池セルのアライメントなど、複雑な形状の寸法計測に使われます。

セグメントサイズを大きくすればノイズに強くなり、小さくすれば細かい凹凸まで計測できます。検査内容に応じた調整がポイントです。

位置補正

搬送中のワークは位置がずれます。位置補正とは、パターンサーチで現在位置を検出し、その結果を寸法計測の領域にフィードバックする機能です。ワークの位置に追従して計測領域を動かし、正しい位置で計測します。

全数検査のメリット

不良品流出の防止

抜き取り検査では漏れるリスクがあるが、全数検査なら全品チェック可能。

高速検査で生産性維持

画像処理なら数十ms〜数百msで計測完了。ラインスピードを落とさずに全数検査。

品質データの蓄積

全数の寸法データを記録・管理。トレーサビリティ確保と工程改善に活用。

Nsightのアプローチ

Nsightは元キーエンス画像処理部門のメンバーが在籍しており、エッジ検出パラメータの最適化、位置補正の設計、テレセントリックレンズとの組み合わせまで一体設計します。寸法検査は照明とレンズの設計がそのまま精度に直結するため、光学系の設計経験が活きる領域です。

多品種外観検査(VLMは裏方として活用)

ルールベース+従来AIで検査を行い、VLMは「学習コストを下げる武器」として裏方で活用します。NG画像生成・アノテーション自動化・ブラウザベースの学習機能の3つをパッケージ化していく方針です。これらの機能により、お客様にとっての使いやすさを高めると同時に、各現場の検査データを蓄積できる構造を作ります。

ラベル文字認識・照合(VLMが検査自体を行う)

賞味期限・ロット番号・産地情報等の日本語テキストを読み取り、マスターデータと照合する用途です。VLMが学習なしで文字の位置と意味を理解するため、品種が変わっても設定変更なしで対応可能です。

サンプル画像をお送りいただければ、検査精度の無料検証を実施します。

無料サンプル検証を依頼する →
関連記事
AI外観検査のカメラ選定ガイド
関連記事
AI外観検査とPLC連携ガイド

寸法検査の基本要件と精度区分

製造業の寸法検査は、要求精度により計測手法が大きく異なります。±1mmレベルから±μmレベルまで、精度に応じた手法選定が重要。

精度区分別の計測技術

精度区分計測手法典型用途
±1mm2Dカメラ+AI建材・大型部品
±0.1mm高解像度カメラ+AI機械加工品
±0.01mm3D構造光・レーザー精密部品
±0.001mm共焦点・干渉計光学・半導体

2D寸法計測のサブピクセル技術

カメラ解像度の物理的限界を超える精度を実現する技術。エッジ検出のサブピクセル補間で、ピクセルサイズの1/10〜1/100の精度を達成可能。

3D寸法計測の主要手法

構造光投影

正弦波・縞模様を投影し変形から3D形状取得。±0.01mm精度。

レーザー三角測量

ライン上を移動しながら線状計測。長尺対応に有効。

業界別の寸法検査要求

寸法検査の典型システム構成

要素仕様
カメラ12〜20MP校正済み
レンズテレセントリック推奨
照明背面照明(透過光)
校正定期的なキャリブレーション

寸法検査の校正サイクルと精度維持

寸法検査AIの精度は、定期的な校正によってのみ維持できます。標準的な校正サイクルは月次でレベル1校正(基準サンプル撮像によるドリフト確認)、四半期でレベル2校正(既知寸法ゲージによる校正値更新)、年次でレベル3校正(メーカー派遣による全面校正)。これらをサボると、徐々に判定基準がずれて気づかないうちに不良流出リスクが高まります。校正記録の保管と、トレーサビリティ確保が運用上の必須項目です。

業界別の寸法精度要求の違い

業界別の寸法精度要求には大きな違いがあります。半導体業界はサブミクロン精度が標準で、一般的な画像AIでは対応困難。精密機械業界はミクロンレベル、自動車部品業界は数十ミクロンレベル、建材業界は数mmレベル。要求精度に応じた適切な計測手法選定が、コスト最適化の鍵です。「とりあえず高精度」を選ぶと、過剰投資になりやすい領域です。

3D計測技術の導入判断基準

MEASUREMENT METHODS 精度区分別の計測手法と価格帯 ±1mm(汎用)100万円±0.1mm(標準)300万円±0.01mm(精密)800万円±0.001mm(超精密)2,000万円

寸法検査AI導入の意思決定プロセス

寸法検査AI導入の意思決定プロセスは、技術評価と経営判断の両軸で進めます。技術面では要求精度・サイクルタイム・拡張性を確認し、経営面では投資回収期間・補助金活用・組織体制を評価。両軸でゴーサインが出てから実行に移すことで、導入後のリスクを最小化できます。判断を急がず、3〜6ヶ月かけた慎重な検討が、長期成功の前提となります。

よくある質問

寸法公差と外観不良の同時判定はできますか?

可能です。同一カメラで両方の判定を実行するハイブリッド構成が一般的です。

3D検査AIの学習データはどう準備しますか?

3Dシミュレーションで学習データを生成する手法と、実測データで学習する手法があります。

AI検査で寸法測定もできますか?

はい、校正済みカメラとサブピクセル処理により、数μm精度での寸法測定が可能です。

寸法検査の自動化でお困りですか?

検査対象の図面や要件をお送りください。最適なシステム構成を提案します。

無料サンプル検証を依頼する →

監修:嶋野(元キーエンス画像処理部門 開発)

キーエンス画像処理部門での実務経験をもとに、製造業の外観検査・画像処理に関する技術監修を行っている。会社概要 →

最終更新日:2026-04-24