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AI外観検査のカメラ選定ガイド

画素数、分解能、被写界深度——検査用カメラの選び方を基礎から解説。

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カメラ選定が検査精度を決める

AI外観検査の精度は、AIアルゴリズムだけでは決まりません。カメラで取得した画像の品質が検査精度の土台です。どんなに優秀なAIでも、画像に映っていない欠陥は検出できません。

画素分解能とは

画素分解能とは、1画素が実際に何mmに相当するかを示す値です。計算式はシンプルです。

画素分解能 = 撮像視野(mm)÷ 画素数(pixel)

例えば、Y方向の撮像視野を100mmにした場合、31万画素カメラ(480画素)なら画素分解能は約0.21mm/pixel、500万画素カメラ(2050画素)なら約0.05mm/pixel、2100万画素カメラ(4092画素)なら約0.02mm/pixelとなります。

最小検出サイズの求め方

画像検査では、欠陥を安定して検出するために5画素程度のデータが必要です。つまり最小検出サイズは以下の式で求まります。

最小検出サイズ = 画素分解能 × 5

逆に、必要な画素数を求めるには以下の計算をします。

必要な画素数 = 撮像視野 ÷ 最小検出サイズ × 5

カメラ画素数視野100mmでの画素分解能最小検出サイズ
31万画素0.21mm/pixel約1.0mm
500万画素0.05mm/pixel約0.25mm
2100万画素0.02mm/pixel約0.12mm

被写界深度

被写界深度とは、ピントが合っているように見える奥行きの範囲です。高さのあるワークや、搬送時に高さがバラつく場合に重要になります。

被写界深度を深くするにはレンズの絞りを絞る必要がありますが、絞ると画面が暗くなり、解像力も低下します。シャッター速度・絞り・感度のバランスを検査内容に合わせて調整する必要があります。

シャッター速度の決め方

搬送中のワークを撮影する場合、ブレを抑えるには以下の目安でシャッター速度を設定します。

シャッター速度 = 画素分解能 × 2 ÷ ライン速度

例えば、画素分解能1mm/pixel、ライン速度500mm/秒の場合、シャッター速度は0.004秒(4ms)以下が必要です。

Nsightのアプローチ

Nsightは元キーエンス画像処理部門のメンバーが在籍しており、カメラの画素数・分解能の計算から、レンズ・照明との組み合わせ、シャッター速度の最適化まで一体設計します。「カメラを買ったが検査精度が出ない」という相談も多く、機器選定からやり直すケースも少なくありません。

多品種外観検査(VLMは裏方として活用)

ルールベース+従来AIで検査を行い、VLMは「学習コストを下げる武器」として裏方で活用します。NG画像生成・アノテーション自動化・ブラウザベースの学習機能の3つをパッケージ化していく方針です。これらの機能により、お客様にとっての使いやすさを高めると同時に、各現場の検査データを蓄積できる構造を作ります。

ラベル文字認識・照合(VLMが検査自体を行う)

賞味期限・ロット番号・産地情報等の日本語テキストを読み取り、マスターデータと照合する用途です。VLMが学習なしで文字の位置と意味を理解するため、品種が変わっても設定変更なしで対応可能です。

サンプル画像をお送りいただければ、検査精度の無料検証を実施します。

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外観検査用カメラ選定の基本軸

カメラ選定は外観検査の精度・速度・コストを決定する重要要素。要求精度・ライン速度・予算から最適機種を選定します。

主要カメラタイプ

タイプ①: エリアスキャンカメラ

2次元センサーで一度に1フレーム撮像。最も汎用的。

タイプ②: ラインスキャンカメラ

1次元センサーで連続撮像。長尺対象に最適。

タイプ③: 高解像度カメラ

20〜100MPクラス。微細部品・大判検査に必要。

タイプ④: 高速度カメラ

毎秒1000フレーム以上。動的検査に対応。

タイプ⑤: マルチスペクトルカメラ

可視光以外の波長(赤外・紫外)で撮像。素材識別。

カメラ仕様の選定基準

要素確認ポイント
解像度検査対象の最小特徴×3ピクセル以上
センサーサイズレンズイメージサークルとの整合
フレームレートライン速度の1.5倍以上
シャッター方式動的対象はグローバルシャッター
インターフェースGigE/USB3/Camera Link
耐環境性産業用認証(CE、FCC)

主要メーカー

カメラとAI性能の関係

カメラ画質が悪ければAIも判定不能。「AIで何とかなる」発想ではなく、撮像段階で必要情報を確実に取得する設計が、検査AI成功の前提です。

カメラ選定の3つの落とし穴

カメラ選定で陥りやすい落とし穴を整理します。第一に、解像度過剰選定(必要以上のMPでコスト増・処理時間増)。第二に、フレームレート不足(ライン速度に追いつかない)。第三に、インターフェース選定ミス(GigE/USB3/Camera Linkの選び方)。これらの落とし穴を回避するには、要求仕様の正確な把握と、複数機種の比較検証が不可欠です。

カメラとAIの整合性

カメラ画質の悪さをAI技術でカバーするのは現実的に困難です。「AIで何とかなる」発想ではなく、撮像段階で必要情報を確実に取得する設計が、検査AI成功の前提条件。逆に、優れたカメラ選定があれば、シンプルなAIアルゴリズムでも高精度判定が実現できます。投資配分の優先順位を間違えないことが重要です。

CAMERA TYPES カメラタイプ別の選定基準 エリアスキャン・最も汎用・1フレーム撮像・標準構成ラインスキャン・連続撮像・長尺対応・特殊用途マルチスペクトル・複数波長・素材識別・先端用途

カメラ選定のベンダー比較

カメラ選定では複数ベンダーの比較が標準的です。Basler・FLIR・Hikrobot・SONY・Canonなど主要メーカーの製品を、価格・性能・サポート・産業実績で評価。最低3社の見積もり比較とPoC実施が、選定精度を高めます。

よくある質問

照明設計が外観検査の成否を決めるというのは本当ですか?

はい、照明70%・カメラ20%・AI 10%が精度への寄与度の目安と言われるほど、照明設計は重要です。

照明の種類はどう使い分けますか?

同軸・ドーム・リング・バー・偏光などを、検査対象の素材・形状に応じて組み合わせます。

画像前処理フィルタは何を使えばよいですか?

ノイズ除去・コントラスト強調・エッジ抽出など、判定目的に応じて最小限の前処理を設計します。

カメラ・照明の選定でお困りですか?

サンプル画像をお送りください。最適な機器構成を無料で提案します。

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監修:嶋野(元キーエンス画像処理部門 開発)

キーエンス画像処理部門での実務経験をもとに、製造業の外観検査・画像処理に関する技術監修を行っている。会社概要 →

最終更新日:2026-04-24