ヤード駐車2D可視化事例
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Industry:クロスインダストリーType:安全管理・可視化

トレーラーヤードの駐車状況を2D俯瞰で可視化

複数の固定CCTV映像をリアルタイムで合成し、駐車ヤード全体を1枚の2D俯瞰図として可視化。駐車スポット単位の占有状況と滞留時間を即座に把握できるようにし、入出庫オペレーションのボトルネックを見える化しました。既存のCCTV設備をそのまま活用するため、追加のハードウェア投資を最小限に抑えています。

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導入の背景と課題

トラック待機時間は物流業界の慢性課題

国土交通省「トラック輸送状況の実態調査」によれば、トラックドライバーの荷待ち・荷役時間は慢性的に発生しており、拘束時間全体に占める割合も小さくありません。ドライバーの働き方改革(いわゆる物流2024年問題)への対応が急務となる中、物流拠点側での入出庫オペレーションの効率化は業界全体の優先課題です。

本案件の物流拠点では、以下の課題が慢性化していました。

👥

占有状況の手作業確認

管理者が現場を巡回して駐車状況を目視で確認。情報更新にタイムラグがあり、リアルタイム性が不足

🔄

入出庫の待機時間

どのスポットが空いているか即座に把握できず、入構したトレーラーが空きスポットを探す間にヤード内が混雑

📉

滞留時間の把握困難

どのスポットに何時間停車しているかのログが残らず、オーバーステイの検出が遅れる。長時間占有のスポットが判明するのはトラブル発生後になりがち

⚠️

複数カメラの映像を頭の中で統合する認知負荷

CCTV映像は多画面表示だが、空間的な位置関係が直感的に把握しづらく、管理者の経験依存

出典:国土交通省「トラック輸送状況の実態調査結果」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000007.html

Nsightのアプローチ

既存CCTVを活用したマルチカメラ合成

新規センサー導入ではなく、既設の固定CCTV映像をそのまま活用して2D俯瞰図を生成するアプローチを採用しました。各カメラの視野と地上座標の対応関係を一度キャリブレーションすれば、以後はNsight Edge上でリアルタイムに俯瞰合成が可能です。

実機の可視化映像

3台の既存CCTV映像(左側)から、Nsight Edgeが2D俯瞰図(右側)をリアルタイム生成。駐車スポットごとの占有状況が一目で把握できます。

トレーラーヤード2D可視化:左側3カメラは実映像(歪み補正後)、右側は2D俯瞰図。緑が占有中のスポット、背景色が空きスポット。

導入効果

BEFORE
巡回確認+多画面CCTV
現場巡回による情報更新のタイムラグ、複数カメラ映像を頭の中で統合する認知負荷、滞留時間記録の欠如という3つの課題で、ヤードのリアルタイム状況把握が困難でした。
AFTER
1画面で全体把握
2D俯瞰図でヤード全体の占有状況を一目で把握。空きスポット誘導、オーバーステイ検知、時間帯別の利用率分析が可能になり、入出庫オペレーションの効率化につながりました。

比較表:ヤード駐車管理の方式

観点 巡回確認 ゲート
センサー
RFID/GPS
タグ
Nsight Edge
(既存CCTV活用)
リアルタイム性 巡回間隔次第 入出時のみ 常時 常時
スポット単位の占有把握 目視記録 不可
滞留時間の記録 手書き記録 入出差分のみ 自動記録 自動記録
初期投資 ゲート設備 全車両にタグ 既存CCTV活用
運用負荷 人員常駐 タグ配布・回収 自動
既存設備活用 新規工事 タグ導入 そのまま活用

RFID/GPSタグは精度が高い一方、全車両にタグを付与・回収する運用負担が発生します。社外のトラックが頻繁に出入りするヤードでは特に負荷が大きく、既存CCTVを活用するNsight Edge方式が運用上の相性が良いケースが多くあります。

技術的ポイント:マルチカメラ合成の実装

ホモグラフィ変換による2D俯瞰化

カメラが捉える映像は、カメラの視点(視野・角度・高さ)によって同じ空間でも異なる見え方になります。これをホモグラフィ変換(平面射影変換)によって「真上から見た座標系」に統一することで、1枚の2D俯瞰図を合成できます。ホモグラフィ行列は、カメラ視野内に既知の4点(スポットの四隅など)を指定すれば計算できます。Nsightでは設置時のキャリブレーション作業を半日程度で完了できる手順を標準化しています。

マルチカメラ間のID引き継ぎ

車両が1台目のカメラ視野から2台目のカメラ視野へ移動する際、同じ車両として追跡するにはマルチカメラトラッキングの仕組みが必要です。Nsight Edgeは、カメラ視野の重複領域を事前定義し、そこに現れた車両は元のIDを引き継ぐ設計を採用。これにより、ヤード全体で一貫したトラッキングが可能になります。

占有判定ロジックと運用閾値

スポット占有の判定は「車両バウンディングボックスの重心がスポット領域内にあるか」という単純な判定だけでは誤判定が起きやすい領域です。通過中の車両が一瞬スポット上を通過しただけで「占有」と記録されるのを防ぐため、一定時間以上の静止を条件に占有判定を確定させるロジックを組み込んでいます。閾値は現場の運用実態に合わせて調整可能です。

運用ダッシュボードとアラート設計

Nsight Edgeは2D俯瞰図だけでなく、時間帯別の利用率ヒートマップ・スポット別の平均滞留時間・オーバーステイ車両リスト等のダッシュボードを提供します。管理者は週次・月次でこれらを確認し、ヤードレイアウト改善や入出庫ルールの見直しにつなげられます。

開発エンジニアからのコメント

ENGINEER VOICE — 嶋野(元キーエンス画像処理部門 開発)

「ヤード管理は、物流2024年問題を背景に急速に注目が集まっている領域です。面白いのは、既存CCTVをそのまま活用できる点。追加の投資を最小化しながら『見えていなかった情報を見える化する』発想は、製造業のライン検査とも通じます。『新しいセンサーを入れる前に、今ある設備で何ができるか考える』──これがNsightの一貫した姿勢です。」

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よくある質問

ヤード全体を視野に収めるカメラ配置が前提ですが、死角は複数カメラの組み合わせでカバーできます。既設の構成で実現可能かは事前ヒアリングで判定します。
既設CCTVの映像品質次第です。夜間照明がある場合や、赤外線対応カメラが設置されている場合は継続稼働可能です。画質が著しく劣化する状況では精度が落ちる場合があるため、事前のテストを推奨します。
スポット定義は画面上で調整できる設計のため、レイアウト変更時は管理画面から領域を引き直すだけで対応可能です。
CSV出力・API連携に対応しており、既存のTMS・WMSとの統合が可能です。個別要件はお問い合わせください。

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