AI外観検査、いくらかかるのか?
AI外観検査の導入を検討する際、最も気になるのが費用です。「AIは高い」というイメージがありますが、実際の費用は検査内容や規模によって大きく異なります。
本記事では、AI外観検査の費用構造をわかりやすく分解し、予算別の導入パターンとROI(投資対効果)の考え方を解説します。
AI外観検査の費用構造
費用は大きく4つの要素に分かれます。
1. ハードウェア費用
カメラ、照明、処理用PC(またはエッジデバイス)、取付架台などの設備費用です。
- 産業用カメラ+照明:30〜100万円
- 処理用PC/エッジデバイス:20〜80万円(NVIDIA Jetsonなら20〜40万円)
- 取付架台・筐体:10〜50万円
2. AI開発費用
検査アルゴリズムの開発、学習モデルの構築、チューニングにかかる費用です。
- ルールベース開発:50〜150万円
- Deep Learning開発:150〜500万円
- VLM+ハイブリッド開発:100〜300万円
3. 導入・設置費用
現場への設置工事、既存ラインとの連携、動作検証にかかる費用です。通常、50〜150万円程度。ラインの改造が必要な場合はさらに増加します。
4. ランニングコスト
保守・メンテナンス、モデルの再学習、品種追加対応などの継続費用です。
- 保守契約:年間30〜80万円
- 品種追加(従来AI):1品種あたり20〜50万円
- 品種追加(VLM活用):1品種あたり5〜15万円
予算別の導入パターン
パターンA:300万円以下 — PoCからスタート
対象:1検査工程・1〜3品種の自動化
期間:PoC 2週間 → 本導入 1〜2ヶ月
まずは1つの検査工程で効果を実証し、社内の理解を得てから横展開するアプローチです。小さく始めてリスクを最小化できるため、初めてAI検査を導入する工場に最適です。
パターンB:500万円 — 本格導入(単一ライン)
対象:1ラインの複数検査工程・5〜10品種対応
期間:2〜3ヶ月
1つの生産ラインの外観検査を本格的に自動化するパターンです。複数の検査ポイントをカバーし、品種切替にも対応します。
パターンC:1000万円以上 — 複数ライン展開
対象:複数ライン・20品種以上対応・データ管理基盤込み
期間:3〜6ヶ月
工場全体の検査自動化戦略として取り組むパターンです。検査データの一元管理により、品質トレンドの分析や工程改善にも活用できます。
ROI(投資対効果)の計算方法
AI外観検査のROIは、以下の要素で計算します。
コスト削減効果
- 検査員の人件費削減:検査員1名の年間コストを400〜600万円として、2名分を自動化すれば年間800〜1200万円の削減
- 不良品流出の損失削減:クレーム対応・返品・リコール費用の削減
- 過剰判定の削減:OK品のNG判定(歩留まりロス)の改善
投資回収期間の目安
| 導入規模 | 初期投資 | 年間削減額(目安) | 回収期間 |
|---|---|---|---|
| PoC(1工程) | 250万円 | 400〜600万円 | 6ヶ月〜1年 |
| 単一ライン | 500万円 | 800〜1200万円 | 6ヶ月〜1年 |
| 複数ライン | 1000万円 | 1500〜2500万円 | 6ヶ月〜1年 |
検査員の人件費だけで計算しても、多くの場合1年以内に投資回収が可能です。不良品流出防止や歩留まり改善まで含めると、さらに短期間で回収できます。
費用を抑えるためのポイント
1. PoCから始める
いきなり大規模投資をせず、1工程で効果を検証してから判断しましょう。Nsightでは最短2週間のPoCを提供しています。
2. エッジAIを活用する
NVIDIA Jetsonなどのエッジデバイスを使えば、高価なサーバーを用意しなくても高速なAI推論が可能です。ハードウェアコストを大幅に抑えられます。
3. VLMで品種追加コストを削減する
多品種の場合、品種追加のたびに費用が発生するのが従来AIの課題でした。VLMを活用すれば、品種追加コストを1/3〜1/5に抑えられます。
まとめ
AI外観検査の費用は、検査内容・品種数・規模によって300万円〜1000万円以上まで幅があります。重要なのは金額の大小ではなく、投資に見合うリターンが得られるかという視点です。
Nsightでは、お客様の検査対象と予算に合わせて、最適な導入プランをご提案しています。まずはサンプル画像での無料検証からお気軽にご相談ください。